のりピーに想う

テレビ等で報道されていることがどこまで本当かわからないけど、
のりピーはもしかしたら夫のことが好きだったんじゃないだろうか。


渋谷の路上で夫が警官に職務質問されたのがそもそもの発端。
そのとき彼は「俺の妻は女優だ」とか言って妻を携帯で現場に呼んだとか。
のりピーは駆けつけ、警官に夫の潔白を主張するも夫は連行されたそうだけど、
この一連の経緯に夫ののりピーに対する甘えが見えると思う。
もし妻のことを思うなら、同じく覚せい剤をやってる彼女を警官の前に差し出すような真似は
普通しないもの。
妻をおもんぱかるより、自分の窮地を何とか助けてほしいと彼女にすがった夫。
そして、夫の期待通り即座に駆けつけたのりピー
ここに私は夫とのりピーの関係が凝縮しているように感じてしまう。


のりピーは、昨年夏から夫に薦められて覚せい剤を始めたそうで、
それはあたかも一時の欲望に負けた馬鹿夫婦ってふうに見える。
でも、本当はもっと事情があるんじゃないだろうか。


もしかして、夫は「俺は妻に比べて駄目だ」っていう不遇感を持っていたのではないだろうか。
それがだんだん嵩じて時に荒れたり妻を責めたり。
家庭内がそういう緊張状態になっていたとして、そんなときに夫から「お前も覚せい剤をやれ」
と強要されたら…。
拒否したとたん「俺のことを馬鹿にしてるんだろう」とからまれて暴力を振るわれたら…。


夫に愛想を尽かしていたら断れるだろうし、誰かに相談もできるし、逃げられもするだろう。
でも、もし、夫のことを愛していたら?
自分が覚せい剤をやればこの人は満足するんだ、もう一度私を愛してくれるんだ、
だったら自分はどうなってもかまわない−。
閉鎖的な追い詰められた状況の中でなら、そんな気持ちになっても不思議じゃないような
気がする。


私のただの推測だから真実はまったく別のところにあるのかもしれないけど、
夫に呼び出されて必死で駆けつけたのりピーに哀れを感じてしまう。


逃げている間、彼女は何を考えていたんだろう…。