買うべきか、買わないべきか。
『1Q84』の刷り部数が100万部に迫る勢いって、すごい、すごすぎる。
下世話は承知で、ちょっと計算してみると・・・。
著者印税 1億8000万
新潮社売上 12億6000万
うひゃー。
10代の頃に『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』で洗礼を受けて以来、
村上春樹には特別な思い入れがある。
「ネズミ」(鼠先輩じゃないよ!)、「双子の恋人」「羊ホテル」・・・。
ほんとに新鮮だった。それまで読んだことも見たことも無いワールドだった。
それでいて当時の作品には、読んだ人が「これは自分だけの作品」と思えるような
ひそやかで親密な空気があった。
あー、懐かしい。こうして書いているだけでも胸が切なくなってくる。
世界がまだぼんやりしていてその中で自分はちっぽけで、何もかもが奇妙な違和感で満ちていた子ども時代。
そんな頃に村上春樹作品と出会った人は、一生彼と別れられないんじゃないかしら。
とはいえ、今回の大ヒットはそういった読者がこぞって書店に押し寄せたわけじゃないだろう。
私みたいな読者は、あまりに過去の作品が大切すぎて、新作が素直に買えないような気がする。
つまらなかったらどうしよう。つまらなかったからといってもう村上春樹を嫌いになれるわけじゃなし。
むしろ、つまらなかったとき彼に代わって自分が辛くなるだろう。。。
なんてことをぐじぐじ考えていまだに逡巡している間も本は売れ続けている。
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